伝統文化・方言コース
「伝統文化」では、二つのグループが、校区にある弁財天、本広寺、大泉寺に興味を持ち、歴史や浮島地区との関わりを調査していった。とくに、大泉寺は、保育園生の時に通っていたという生徒が多く、そのころには気づかなかった大泉寺の800年の歴史の重みを実感し、敷地内にある源頼朝の異母兄弟、阿野全成の墓について住職に熱心に質問している姿がみられた。また、大泉寺の敷地内にある大泉保育園は戦後、働きに出ている親にかわり、子どもを境内で預かるという、今でいうボランティア的な活動から始まっていたことに、生徒たちも一様に驚いていた。現在は園舎を改築していて、保育園と老人ホームとが一緒になった、浮島地区の心のよりどころのひとつとなることに、生徒は自分のことのように喜び、発表していた。
「方言」について学習していたグループは、前期は浮島地区に古くから伝わり、現在でも使われている言葉などを、地域のお年寄りに聞いたり、静岡県の方言、他県の方言にも目を向け、インターネットや図書館で調べたものをわかりやすく伝えるために、ペープサート劇(紙芝居)や、4コマ漫画を使った発表をし、生徒たち自身も楽しみながら、それぞれの方言の温かみを感じ取り、気候や地形によって方言が異なることに感心していた。また、それらをまとめたものを地域の方にも紹介しようと、新聞を作成し広報活動を考えている。
地域に学ぶことは1年間を通じて、積極的にできたが、調べる対象を広げすぎたため、まとめ方を悩む生徒もいたが、1・2年生は来年度につながる課題をつかむことができた。
浮島の方言
◆◆◆ 浮島の方言の特色 ◆◆◆
1.語尾がのびる *例 : 〜にゃー、〜きゃー 「わかんにゃー」 ・・・わからない 「いきゃーいいよ」・・・行けばいいよ
2.語尾には 「〜だら」 「〜ずら」 「〜さや」 「〜べ」
*例 「今日は雨が降りそうだら」・・・降りそうでしょ 「勉強するら?」・・・勉強するでしょ?
◆◆◆ 大正時代・昭和初期生まれの人たちが使う珍しい方言 ◆◆◆
・ すいほろ ・・・ お風呂
・ がらい ・・・ わざと
・ すだらもにゃあ ・・・ くだらない
・ しら ・・・ 人たち
・ なお ・・・ もっと
・ うっちゃる ・・・ 捨てる
・ おぜい ・・・ 器量が悪い
・ いきゃあ ・・・ 大きい
◆◆◆ 日常生活でよく使われる方言 ◆◆◆
・ おっかない ・・・ 怖い
・ とぶ ・・・ 走る
・ ひゃあ ・・・ もう
・ こわい ・・・ 堅い
・ しょろしょろ ・・・ のろのろ *例 「しょろしょろしてんなあ、ひゃあ、とんできな。」 ・・・のろのろしてるな、早く走っていきなさい。
・ おんまける ・・・ ちらばす
・ ちょっくら ・・・ ちょっと *例 「ちょっくら、その箱の中をおんまけて」 ・・・ ちょっと、その箱の中をだして
◆◆◆ 意外な沼津の方言 ◆◆◆
・ かじる(かじくる) ・・・ かく *例 「昨日蚊に刺されたところをかじくったら、赤くなっちゃった」
・ ひっくりかえす ・・・ 裏返す
・ しゃべる ・・・ 話す
・ くれる ・・・ あげる *例 「この花、くれるよ。」
・ のっくむ ・・・ 飲み込む *例 「あ、飴のっくんじゃった!」
・ じべた ・・・ 地面
・ こばっちょ ・・・ 隅、端 *例 「道路はこばっちょを歩こう」
・ じちなし ・・・ だらしがない
・ ひゃっこい ・・・ 冷たい
・ ずっこい ・・・ ずるい
・ つめる ・・・ かける *例 「家の鍵、つめてきた?」
・ ちんたら ・・・ だらだら *例 「ちんたら歩かないで。」